KISSdesignが拓く可能性

KISSdesignは、素早く直観的なシステムレベルでのコンセプト設計を可能にします。基本モジュールの他に、新たに独自モジュールで完全なギヤボックスを設計することができるようになりました。この最大の特徴は、素早いコンセプト起案と容易な運動計算にあります。これはソリューションとなる、異なるバリエーションの最初の概略的モデリングを設計者に提供し、重要な要件の比較を可能にすることから、プロジェクト初期段階においてメリットをもたらします。

 

描画機能

描画機能を使って、ユーザーは1枚の紙の上に独自のモデルを描くように簡単に作成できます。このような概略的表示を使って、1つの運動コンセプトの様々なバリエーションを最小限の時間で定義することができます。描画表示では、全ギヤボックスシステムの概観が提供されますが、モデルの個々要素は簡単に変更できるようになっています。その後、モデルが3D表示されます。これは描画機能で変更が行われるたびに自動的に更新されます。

シフトギヤボックス

シフトギヤボックスの設計も、KISSdesignでは極めて簡単です。ユーザーは、必要な要素をツリーに付け加えるか、これらを描画機能を使ってご自身で描くか、またはこの2つの方法を組み合わせることができます。スイッチング要素と歯車が組み合わされ、入力動力が定義されると、回転数表に従って回転数が設定されます。続いて可能な全スイッチポジションが設計され、モデルの全スイッチング要素に対して回転数ごとに自動的に開閉ステータスが設けられます。

 

システム荷重スペクトル 

ユーザーにより定義されるパラメータを変更することで、システム荷重スペクトルを生成することができます。負荷、損失、歯車係数、シャフト温度等の多くの境界条件を、変動パラメータとしてスペクトルに定義することができます。続いて、様々なアプリケーションが要求寿命のバリエーションとともに作成されます。さらにシンプルな運動の荷重スペクトルの解析、または完全な強度解析を実行することができます。荷重スペクトルにおいても個々の荷重スペクトル要素について評価を行うことができます。

 

熱収支

効率計算に基づき、特定のギヤボックスにおける熱収支を予測することができます。熱解析は、2つの分野、つまり動力損失と放熱に分けることができます。歯車においては、重要な要素として、かみ合い損失と流体損失が、ベアリングにおいては、転動及び摺動摩擦、シール材においてはシール摩擦が考慮されます。放熱は、ハウジングを通しての放熱、土台、回転体及び潤滑油についてそれぞれ算出することができます。このような形で、ギヤボックスの総合効率及び総放熱量を、特定の潤滑剤温度、冷却性能又は入力出力について算出することができます。

 

ハウジング変形

ギヤボックスの性能は常に高くなる一方で、その形状は一層コンパクトになっています。この理由から、ギヤボックス計算において、ハウジング剛性を考慮することが重要になっています。FEMハウジングモデルの低減剛性マトリクスを利用することで、これが考慮されます。ここで支持軸受の中心のノードはマスターノードを示しています。続いて、軸受が計算に取り込まれますが、その一方でクリアランスは考慮されていません。これから算出された軸受の偏位は、当該するその後の計算に直接の影響を与えます。

 

周波数特性

転がり軸受、歯車、シャフトはそれぞれ固有の周波数特性を示します。KISSdesignでは、ドライブトレーンモデルに含まれる歯車・転がり軸受・シャフトの周波数特性を計算することができます。詳細な解析ツールも用意されており、追加コンポーネントの周波数を入力することもできます。グラフィック領域には2つのグラフ、結果表示ウィンドウ、特別レポートが提供されていることから、望ましくない共振を回避し、NVH性能を改善することで、ドライブトレーンの設計最適化を図ることができます。

 

モーダル解析

モーダル解析は、全ギヤモックスモデルに適用できます。純粋なねじり振動と、ねじり振動、軸方向の振動(縦振動)及び曲げ振動(横振動)の連成を選択することができます。この結果は、振動するシャフトシステムとして3Dアニメーションで表示され、さらに表形式にエクスポートされます。固有モードの振幅は1にスケールされます。計算には伝達マトリクス法が取り入れられています。かみ合い剛性の計算には、様々なモデルが用意されています。ISO 6336 接触解析、無限剛性、0剛性

 

キャンベル線図

キャンベル線図の計算は、全シャフトシステムにおける運動解析を実施する場合に利用されます。シャフトの許容回転数領域においては、シャフトシステムの固有振動を計算することができます。結果は、シャフトの励起周波数とギヤのかみ合いデータともに、グラフ、プロトコル又は表形式で出力されます。

 

強制振動

アンバランス慣性力に加えて、さらに2つの起振力を考慮することができます。起振力の主要源には、伝達誤差の振幅と非線形の接触剛性の変動からなるかみ合い応力が数えられます。軸受の過渡荷重は、歯車の静的伝達誤差をベースに慣性モーメントと質量を考慮して計算されます。外部からもたらされるトルクリップルを考慮することも可能です。伝達誤差の作用は、トルクリップルによる励振分が拡大され、システム挙動は双方の励振の結果として計算されます。

 

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